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石川県金沢市64小中学校 パン給食9月再開 月2回程度

給食用パンの業者の廃業に伴い、2019年4月から石川県金沢市内の全64小中学校で、パンの納入ができなくなり、米飯給食に切り替えていましたが、先月6月27日に開かれた金沢市 市議会文教消防常任委員会で、金沢市教育委員会より「2019年9月より、パン給食を再開する見通しがたった」と報告されました。

石川県金沢市では、給食に提供するパンは石川県学校給食会と石川県パン協同組合との契約に基づき、組合加盟業者が各校へ納入している。金沢市立小中学校は分校を含め79校あり、そのうち約8割の64校が今年2019年4月からパン給食が休止となっている。

64校に給食用パンを提供していた業者は、白山市にある破産したパン製造販売会社の工場を借り事業を引き継ぐ形で4年前から給食用パンを製造してきたが、昨年2018年11月、破産で競売に掛けられていた工場の土地と建物が第三者に落札されたことから、事業が継続できなくなった。

この事により64校は、今年2019年4月から給食で米飯のみの提供となった。金沢市教育委員会は、パン給食再開に向けて石川県学校給食会と協議を重ね、金沢市の残り15校に給食用パンを提供していた業者が、設備と配送用車両を増強し、今年の二学期の9月から、金沢市全79校に給食用パンを納入できる見通しがたった。

金沢市内の小中学校では、これまで月7回程度の割合で給食パンが提供されていたが、二学期の9月からは、月2回程度とし全小中学校でパン給食を再開する。

石川県学校給食会によると、金沢市のほか白山市・能美市・野々市市・川北町・能登町の101校と県立の3校が、廃業した業者から給食用パンの納入を受けていた。能美市と川北町は、石川県学校給食会を通じて別の業者が納入可能となったが条件が合わず、また、白山市と野々市市も現時点では再開の目途は立っていない。そして、全9校のうち7校に影響が出た能登町は、パン給食を再開する予定はない。

戦後の学校給食ではパン給食が主流でしたが、1976年に米飯給食が正式に導入されてから、パン給食は徐々に減少しました。

文部科学省公表の「学校給食実施状況等調査-平成30年度結果の概要」(※)の「米飯給食実施状況調査」では、2018年の米飯給食の全国平均は週3.5回で、残りがパンか麺となり、全日本パン共同組合連合会によると、パン給食は週1.3回にまで落ち込んでいるということです。

夏休みや休日を除くと年間の学校給食実施日数は約180日、このうちパン給食は約50日となり、このような状況の中、給食用パン製造の業者は、工場や配送用トラックの維持管理、従業員の雇用などを賄うことはとても厳しく、給食用パンの安定供給には多くの課題があると考えられています。

※文部科学省公表「学校給食実施状況等調査-平成30年度結果の概要」URL
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa05/kyuushoku/kekka/k_detail/1413836.htm