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「第1回 栄養教諭食育研究大会」岐阜県多治見市で開催!

岐阜県多治見市において、『エビデンスを創出できる栄養教諭を目指して』と題し、「食育推進」のキーマンとして将来に亘って重要な役割を担っている栄養教諭の資質向上をめざした「第1回 栄養教諭食育研究大会」が以下の内容で開催されました。専門学者による講演をはじめ、全国各地の栄養教諭チームによる、画期的な取組の発表が行われ、有意義な討議が繰り広げられました。

【大会 開会式の様子1】

【大会 開会式の様子2】

1.大会概要

1)主題
「エビデンスを創出できる栄養教諭を目指して」
2)開催日
平成29年8月19日(土)10:00~16:00
3)開催場所
岐阜県多治見市市役所駅北庁舎 4階 大ホール
4)講演・発表内容
(1)基調講演
「栄養教諭に期待する役割」
十文字学園女子大学 大学院教授 山本 茂先生
(2)講演
「学校における食物アレルギーの管理・対応」
昭和大学医学部小児科学講座講師 今井 孝成先生
「制御が困難なノロウィルス食中毒と問題点」
一般財団法人東京顕微鏡院 食と環境の科学センター 名誉所長 伊藤 武先生
(3)ポスター発表
富山県「米飯給食とパン給食における使用食品群の出現頻度と使用量の違い」
広島県「栄養教諭導入による学校給食の変化と食育展開の波及効果
~学校給食における地場産物の活用~」
(4)研究発表
福島県「学校給食における脂肪エネルギー比率と食塩摂取量の現状とこれから」
岐阜県「学校給食における献立変化と栄養教諭の意識変化」
岐阜県「教職員の食育に関する意識と実態について」
滋賀県「栄養教諭導入前後における献立内容の変化」
香川県「栄養教諭制度導入後の学校給食献立の食品にかかわる変容について」
鹿児島県「鹿児島県での栄養教諭導入による10年間の学校給食における地場産物の活用」
講評:神奈川工科大学応用バイオ科学部教授 饗場 直美先生

2.大会に参加して

本大会は、そのタイトルの通り、当にこれからの「学校における食育推進」の中核として最も重要な役割を担う栄養教諭の取組をバックアップするための画期的な研究活動の第一歩と言えるでしょう。

「栄養教諭食育研究会」は、主に以下の内容を目的とし、代表幹事 金田雅代女子栄養大学名誉教授の熱い思いと共に発足されました。
①養教諭制度が制定されてから12年の経過を踏まえ、これまでの学校給食・学校での食育の研究成果を共有する。
②食育コーディネーターとしての実践力を養い、学校での食育推進の展開に貢献する。
③その研究成果を校内発表にとどめず論文化することによって広く社会へ情報発信する能力を養い、さらには海外に向けて広く世界への情報発信を目指す。

山本茂教授の基調講演では、「栄養教諭は素晴らしい学校給食を提供している。今後更なる地位確立に向け、栄養教諭が食育コーディネーターとして貢献するために、科学的根拠のある研究報告や論文を作り出す力を獲得し、情報発信を行い、更なる栄養教諭配置の促進につなげましょう。」という提言がありました。

午後の研究発表では、栄養教諭が過去10年の学校給食のデータを分析した貴重な研究発表がありました。平成17年、21年、26年の学校給食データを6つの観点から分析し、エビデンスに基づき10年間の取組成果が、下記の通り報告されました。
・福島県:脂肪肪エネルギー比率30%を超える献立の割合が減少し、減塩取組みの成果が認められた。
・岐阜県:栄養教諭が食に関する指導目標の6つを踏まえ献立をたて、年間指導計画をもって、月別に指導目標が考えられるようになった。
・岐阜県:他教科職員の食育に対する関心が高く、今後も教職員と連携した食育実践を行う為の方法を工夫することが望まれる。
・滋賀県:「主食・主菜・副菜・汁物」が揃ったバランスのとれた献立内容に変化した。
・香川県:副菜で摂取する地産地消の野菜品数が増加し、和食・洋食の献立種別が明確になった。
・鹿児島県:地場産物の使用割合が増加し、地場産物納入のための環境も整えられた。

最後に神奈川工科大学 饗場直美教授が研究発表に対する講評で、「栄養教諭制度が制定され、食育が推進される中、いろいろな意味で取組が充実してきたが、本日の発表を機に今後は更に、子供たちがどのように変化したかを提示していくワンランクアップの研究発表が求められる。」と締めくくられました。

これからの栄養教諭は、学校・家庭・地域社会をつなぐコーディネーターとして学校給食管理や食に関する指導に取組み、その取組を正しく評価されるためにも、エビデンスに基づいた科学的な見地から、研究を深め、論文を発表する能力がたいへん重要になってくると痛感しました。この研究会をきっかけに、ますます栄養教諭の役割や取組が正当に評価され、配置が促進されることを期待します。

中野 はるか

小原 扶美子 記