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「高カロリーの油ものをついつい食べ過ぎてしまう理由」京大大学院農学研究科伏木亨教授の研究グループが解明

食べ過ぎると健康に良くないと分っていてもつい手が出てしまいがちな食べ物に、油で揚げたフライものやスナック菓子がありますが、なぜ止められないのか、その原因が、京都大学大学院農学研究科の伏木亨教授らの研究グループによって解明されました。

高カロリーの油脂を多く含む食べ物が止められない理由として、これらを食べた直後に脳内で「ベータ・エンドルフィン」と 呼ばれるホルモン物質(食事や性行為の際に快感を感じるホルモン物質のひとつで、モルヒネと同じような作用を持つ)が大量に分泌されるためということが突き止められました。

同研究グループは、油脂類と「エンドルフィン」の関係を解明するべく、生後9週目の雄ラットを使って、空腹時に濃度5%のコーン油を与えたところ、油の摂取量はどんどん増えて5日目に約2倍、POMC(エンドルフィンの前段階の物質)も約1.7倍になり、さらに5日間食べ続けたラットに油の飲み口を近づけただけで、POMCは約2.5倍になり、油脂を飲めると期待しただけでも分泌が盛んになる予兆があることが分りました。 またエンドルフィンの体内濃度は、油を飲んだ直後は血中濃度約1.5倍、脳脊髄液濃度では約1.8倍も上昇しています。

このようになぜ油脂類をついつい食べてしまうのかが分ったことで、低カロリー油脂等の肥満防止食品開発につながる可能性もあるようです。