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地場産物を活かした我が校の自慢料理!第17回全国学校給食甲子園

2022年12月11日(日)、認定NPO法人21世紀構想研究会主催による第17回全国学校給食甲子園決勝大会が、3年ぶりに女子栄養大学駒込キャンパスで開催され、その模様がYouTubeでライブ配信されました。

応募総数1,249件から、決勝大会出場7代表14人が選ばれました。3年ぶりに学校栄養士と調理員がペアを組んで実際に会場で調理する決勝大会であったため、選手・関係者の安全第一を考え、決勝大会出場校を例年の12代表校から7代表に変更となりました。

一方、全21名の選手が出場した「食育授業コンテスト」は、オンラインで開催されました。

詳細は、下記公式ホームーページよりご確認頂けます。

■決勝レポート https://kyusyoku-kosien.net/2022final_report/
■決勝結果報告 https://kyusyoku-kosien.net/2022final_result/
■食育授業コンテスト https://kyusyoku-kosien.net/2022shokuiku/

1.概要

1)開催日 : 2022年12月11日(日)
2)出場校 : 北海道・東北/関東/甲信越・北陸/中部・近畿/中国・四国/九州・沖縄の6ブロック7代表
3)会場 : 女子栄養大学駒込キャンパス
4)出場選手: 全国の学校栄養士(栄養教諭および学校栄養職員)調理員
5)主催 : 認定NPO法人21世紀構想研究会

2-1.審査結果(以下敬称略)

1)優勝(株式会社日本一賞)
兵庫県 宍粟市立山崎学校給食センター
栄養教諭・世良光/調理員・安原風花

【献立名:紫黒米ごはん、野菜と豆乳のクリームスープ、
さわらのしょうゆ麹ソース、切り干し大根のサラダ、牛乳、みかん】

2)準優勝(野口医学研究所賞)
埼玉県 越生町立越生小学校
栄養教諭・小林洋介/調理員・三好景一
3)大村智特別賞
秋田県 小坂町立小坂小・中学校
栄養教諭・加藤佑亮/調理員・細越千鶴子
4)21世紀構想研究会特別賞
山形県 高畠町立糠野目小学校
栄養教諭・鈴木梨菜/調理員・竹田明美
5)女子栄養大学特別賞
石川県 加賀市立錦城小学校
栄養教諭・西田郁/調理員・宮本康代
6)優秀賞(藤江賞)
山口県 周防大島町立大島学校給食センター
栄養教諭・平原みゆき/調理員・酒井秀子
7)優秀賞(武蔵エンジニアリング賞)
長崎県 五島市三井楽学校給食センター
栄養教諭・下川洋子/調理員・臼井洋子
8)調理員特別賞(中野麗子賞)
山形県 高畠町立糠野目小学校
調理員・竹田明美

2-2.食育授業コンテスト審査結果(以下敬称略)

9)食育授業最優秀賞(キッコーマン賞)
鹿児島県 薩摩川内市立樋脇学校給食センター 栄養教諭・久保田晴美

【地図や具体的数値を用い社会科との関連性や郷土料理に触れ
「きびなご」「さつま汁」の語源の説明などが盛り込まれた
子どもの学びを深める工夫がされている食育授業】

10)食育授業優秀賞
秋田県 小坂町立小坂小・中学校 栄養教諭・加藤佑亮
山形県 高畠町立糠野目小学校 栄養教諭・鈴木梨菜
埼玉県 越生町立越生小学校 栄養教諭・小林洋介
新潟県 糸魚川市能生学校給食センター 栄養教諭・両川絵美
山口県 周防大島町立大島学校給食センター 栄養教諭・平原みゆき
佐賀県 武雄市立御船が丘小学校 栄養教諭・八藤静環
長崎県 五島市三井楽学校給食センター 栄養教諭・下川洋子
11)食育授業精励賞
茨城県 大子町立学校給食センター 栄養教諭・竹田知里
栃木県 下野市立石橋中学校 栄養教諭・大島久美子
千葉県 千葉県立富里特別支援学校 栄養教諭・飯田薫
富山県 立山町学校給食センター 栄養教諭・早川尚子
石川県 加賀市立錦城小学校 栄養教諭・西田郁
長野県 飯田市学校給食竜峡共同調理場 栄養教諭・伊藤恭子
静岡県 三島市立西小学校学校 学校栄養職員・假屋桃香
愛知県 豊田市中部給食センター 栄養教諭・辻あかり
兵庫県 宍粟市立山崎学校給食センター 栄養教諭・世良光
奈良県 磯城郡川西町立川西小学校学校 学校栄養職員・吉田寿子
鳥取県 南部町立西伯給食センター 栄養教諭・露木浩子
岡山県 岡山県立岡山支援学校 栄養教諭・花房千帆
徳島県 那賀町学校給食センター学校 学校栄養職員・勝本美咲

3.審査講評

審査副委員長 公益社団法人全国学校栄養士協議会 会長 長島 美保子氏

今年は応募献立総数1249件、コロナ感染症が長引く中ですが、それにもめげず例年に近い数の、たくさんの応募が寄せられました。今年ならではの意味ある表彰となりました。

1次審査では、文部科学省の学校給食摂取基準を踏まえて、学校給食として基準を満たしているもの、容量が適切なもの、地場産物を活用しその特色を生かしたもの、といった観点で審査を進め、212校が選ばれました。

2次審査では、都道府県代表を選定しました。都道府県によって応募の数にかなりの差がありましたので、参加が多いところからは2校を選定しています。したがって47都道府県に対して、審査を通過したのは55校になります。この55校が3次審査へ進み、最終的に本日の7校、14人が選ばれました。

最終審査は、いずれも優劣つけがたい、審査員泣かせの作業になりました。その中で、参加チームのさまざまな苦労についても、評価されました。特に鉄分・食物繊維の基準をどのようにクリアするか、という課題です。これらを添加した食品も多い中で、このような添加食品に頼らず、工夫して立てた献立も多くみられました。こうしたノウハウは、今後全国の学校給食の現場に広げてもらいたいと思っています。

今回は、「時代に即した、進化した決勝大会」という印象を強く持ちました。受賞者の方々には、子供たち・保護者の方々・地域の人たち・多くの関係者と共に、受賞の喜びを分かち合ってほしいと思います。

今後も皆さまの取組が、日本の学校給食のさらなる充実に繋がっていきます。本大会の取組を支えていただいた協賛各社団体の方々にも、お礼を申し上げます。

4.閉会挨拶

主催者 認定NPO法人21世紀構想研究会 理事長 馬場 錬成氏

3年ぶりに第17回全国学校給食甲子園決勝大会が開催されました。

全国から1249校の応募があり、4次審査までの厳しい審査を終えて、決勝戦に7代表、14名だけが残りました。 コンテストということで、優勝、準優勝の受賞がありましたが、審査委員会では色々と悩ましい議論があり、7校がほぼ並ぶような結果となりました。ですから、皆さんは胸を張って地域に戻り、「かく戦えり」と報告していただきたいと思います。

今回の大会をふり返りますと、学校給食の現状が年々進歩していることが良くわかります。応募されたアピール文書を読みましても、ICT授業の様子や各種催しなど、コロナ禍の中、あるいはコロナであったからこその、ICT化などが更に進んだことが感じられます。

この世界に冠たる学校給食は、日本列島におよそ1万2000人の栄養教諭・学校栄養職員が配置され、毎日栄養バランスのすぐれたお昼ご飯を調理・提供していますが、こういう国は、世界にも例がありません。

2005年に食育基本法が施行され、学校にも食育という科目ができ、それを支えているのが学校給食だと思いましたが、しかしそれを国民はよく理解できていない。これでは軌道に乗らないのではないかと心配し、2006年から、全国学校給食甲子園という事業を立ち上げました。

また、全国の栄養教諭から応募された献立は、すばらしい作品の集まりです。このデジタルデータをデータベースで管理するようになってから5年になります。これを更に10年、20年続けていけば、古いデータほど価値が増して行きます。このデータベースは、未来になればなるほど、食育の推進事業に貢献できる内容であると思いますので、全国の栄養教諭の皆様、これからもそのような視点で支援していただきたいと思っております。また、これらのデータを生かした学術的な研究も重ね、食育の研究、推進事業を支えていくつもりです。

この大会を17年も続けて来られたのは、協賛してくれた企業をはじめ、文部科学省、農林水産省、厚生労働省や日本医師会、全国学校栄養士協議会等から応援していただいている結果でございます。

メディアの皆様も、あたたかい視線を向けてくださっていて、今回は、NHK総合テレビが番組を作るために、沢山のクルーを連れてきています。30分番組が放映されるはずですので、また追ってご連絡いたします。

これをもちまして、第17回全国学校給食甲子園決勝大会を閉幕といたします。ありがとうございました。

写真提供:全国学校給食甲子園