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海外メディアから絶賛された「なでしこジャパンのW杯優勝」

東日本大震災により辛い状況が続く日本に、「なでしこジャパン」のW杯優勝という最高のニュースが報道されて、たくさんの人々が大いに勇気付けられ、救われました。なでしこに関連する報道のたびに、ほとんどの人々が「胸の奥から熱いものがこみ上げてきた」と語っています。

この「なでしこジャパンの快挙」に対しては、優勝した7月17日、翌日の18日にかけて決勝相手の米国ニューヨーク・タイムズ紙は1面で大きく、大災害から立ち上がろうとする姿に合わせて「不屈のチーム」と論評、その他開催国ドイツをはじめとしてサッカー王国ブラジル・韓国・ベトナム・中国など諸外国のメディアでも大きく取上げられ、いわく、「復興への希望の上に築かれた勝利」「日本の奇跡が世界を制した」「真に崇高な勝利だ」「アジアの歴史をつくった」などと絶賛されています。

なかでも、これまですべて良好といえる関係ではなかった中国各紙の報道に好意的なものが多く、以下に少し紹介いたします。

  • 新華社通信 「日本女子サッカーが中国の道しるべとなった」
  • 中国体育報 「日本の優勝は日本人の勤勉でまじめな態度が要因ではないか」
  • 新浪体育 「感情をむき出しにせず、沈着・冷静・我慢で数少ないチャンスをものにしよう、と口を固く結んで戦った」
  • 鳳凰博報 「最後の勝敗を決めるPK戦前の円陣で監督も選手も笑っていた。リラックスした精神状態と雰囲気の中から、みごとに優勝を手にした」

これら一連の中国紙の報道にあって、中でも成都商報の内容が「食育」の観点からも興味深く、特に「日本のサッカーが男女共に強くなったのは、戦後一貫して学校教育を通じて体位向上に取組んだ成果である」との論説は、詳しくは次のようなものでした。

  • 成都商報 「日本サッカーが男女とも強くなったのは、戦後国を挙げ、学校教育として国民の体位向上に努めたおかげ」「昭和15年の『学校給食奨励規定』で十分な栄養摂取を目的とした学校給食を実施した」「東京オリンピックの前後に『スポーツ振興法』制定や『国民の健康体力増強対策』を閣議決定した」「小・中学校で牛乳を飲む習慣をつけさせて、体位の向上に貢献した」

以上のように、おとなりの中国が日本の「食育」に対してこのような理解をされているということに、まずたいへん驚きます。そして日本の学校給食や食育の歴史を簡単に再確認してみると、あらためて成都商報の論説が裏付けられていることがよく分ります。特に学校給食の実施率と体位向上の推移グラフはたいへん顕著な結果となっており、今日まで学校給食・食育を推進してきた日本の国をはじめとする各関係者の方々の真摯な取組のすばらしい成果の証しといえます。

 

【学校給食と牛乳の簡単史】

給食実施率と体位向上の推移】

公益財団法人 学校給食研究改善協会情報紙「すこやか7号」

このように、あらためて日本の「食育」「学校給食」の取組やその成果をみてみると、中国のメディアの指摘通り、特に戦後半世紀以上にわたって国を挙げ、子どもの体位向上・心身の健康増進のために学校教育として学校給食を通じた「食育」が実践されてきたことが分ります。

最後に、なぜ日本の学校給食が世界一なのか、その理由を解り易く以下に紹介します。

【日本の学校給食が世界一といわれる理由】

  1. 「学校給食法」など法的に整備されており、教育として明確に位置づけられている。
  2. 学校給食を通じて、自然の恵みや勤労の大切さに対して感謝し理解する気持ちを育み郷土食・伝統食など日本の食文化の継承につながっている。
  3. 厳選された食材を使用して旬にも配慮し、「学校給食における『食育』の生きた教材」として正しい食習慣形成などの教育的要素がおりこまれている。
  4. 「食育」の推進者として栄養教諭の役割が明確である。
  5. 「子どものために」という日本人の概念が学校運営や食育の根底にあり、これが反映されている。
  6. 衛生管理が世界で最も優れている。

公益財団法人 学校給食研究改善協会情報紙「すこやか10号」

以上、日本の学校給食が世界一とされる理由から、学校給食が単に栄養バランスのとれた昼食を提供するだけではなくて、自然のめぐみ・生産者・調理従事者などへの感謝の気持ちや、生きるための大切な力を育むことを目的とした授業であることがみえてきます。

この度のなでしこジャパンに世界中から寄せられた賞賛は、中国メディアのそれに代表されるように、日本人の地道にまじめに頑張る姿が共感をよび、チームが常に和して努力する姿勢に対して評価されたものです。そしてこのことは当に「たのしくおいしく安全な学校給食を通じて心とからだ双方の健康を育む」という日本の学校給食法にある教育理念がすばらしいスポーツ精神として昇華し、その結果、中国をはじめとする世界中から賞賛され、評価される快挙となったといえ るのではないでしょうか。