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アレルギー増加は現代社会を反映する鏡かも ・・・

今年はスギ花粉の飛散が大変多いとのことで、花粉症にはスギからヒノキと春は闘いの幕開けの季節かもしれません。花粉症は年々増加しているようですが、食物アレルギーの発症も特に子供たちは増加していると言われています。厚生労働省から食物アレルギーを引き起こす特定原材料として小麦、そば、卵、乳(にゅう)及び落花生の5品目は症例も多く、症状の重さから商品に必ず表示義務があり、またあわびやいか、子供が好きなえび、最近ではバナナも加わった20品目が症例は少ないが、アレルギー誘発物資としての表示を奨励するとされています。これらは直接摂取して原因となる食品ですが、根本的なアレルギー増加の要因は子供たちの生活環境等、現代社会ならではの背景があることを、このたび岐阜薬科大学永井博弌学長から伺いました。その内容の要約は次の通りです。

アレルギー増加の原因

  1. 無菌食品(レトルト食品など)の市場が拡大し、それを摂取する機会の増加
  2. 抗生物資の過剰使用
  3. 清潔な環境での生育

 

アレルギー増加の疫学的事実

  1. 喘息はドイツやエチオピア、日本など都市部に多い。
  2. 兄弟姉妹が多く、大家族の子供は発症が低い。
  3. 保育所などの集団生活を早期に開始した子供は発症が低い。
  4. A型肝炎、トキソプラズマ(原虫)、ヘリコバクターピロリ(細菌)などに経口感染していると発症は低い。
  5. 牧場で育った子供の発症は低い。
  6. 乳酸菌(lactobacillus ruwingなど)の経口感染は、アレルギーのリスクを低下させる。
  7. 出生前からペットを飼っている家に生まれた子供の発症は低い。

このように永井博弌学長のお話から、最近のアレルギー発症増加の大きな原因のひとつとして、清潔で種々な感染や汚染の少ない環境に育った子供達の免疫力が落ちているということが挙げられます。この事は非常に興味深く、また色々な角度からも大いに考えさせられる内容で、高度文明といわれる現代社会に生きる我々人間が得たものと、失ったものがはっきり示されているようです。