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「10代から牛乳を飲み続けている人は、糖尿病になるリスクが低い」~米ハーバード大学が研究発表~

牛乳は安価で最も豊かな栄養食品として知られていますが、中には間違った解釈の諸説も流れたりして、その真価が正しく理解されていない実態が一部にあり、残念なことです。しかしこの程、アメリカハーバード大学研究者により、「牛乳を10代から毎日飲む習慣がある人は、成人になってからも飲み続けて、飲まない人に比べて糖尿 病の発症リスクが低くなる」という画期的な研究結果が報告されました。

この発表は、改めて優良栄養食品である牛乳・乳製品の真価が再確認されたといえる研究結果となっていますが、以下にその報告内容の要旨をご紹介します。

 

この程、アメリカの臨床栄養学雑誌“American Journal of Clinical Nutrition”9月号に糖尿病発症に関する2つの重要な結果報告が掲載された。

  1. 37,000人の女性を対象に高校生の時の食生活について調査した結果、10代から牛乳や乳製品を1日1サービング(杯)しか摂らないグループに比べて、牛乳・乳製品を1日4サービング摂るグループが、大人になって2型糖尿病(※1)を発症するリスクが最大で38%も低くなる。 2型糖尿病のリスク要因として肥満があげられるが、同じく10代の頃に牛乳・乳製品を摂取する習慣のグループは、大人になってからも続けて牛乳や乳製品を摂取する傾向があり、年齢を重ねるにつれて、体重が減る傾向があり、その習慣のない人に比べて、体重が約1.8kg軽いという結果がでた。 この研究発表・報告から、「若年期の牛乳・乳製品の摂取に、2型糖尿病の発症リスクを抑制するはたらきあることが立証された」と研究者は話している。
  2. たんぱく質の摂取状況について、成人約403万人を対象に1980年代~2008年にかけて複数の調査機関で大規模な研究調査が行われた。 そして更に、その中で毎日赤身肉を食べているグループは2型糖尿病発症が増加し、低脂肪乳・全粒粉・ナッツ・赤身肉少量のみを摂取するグループの発症率は16~35%も低下しているという結果になった。

これら2つの研究結果から、あらためて牛乳・乳製品が優良栄養食品として評価され、牛乳を飲むと肥満になる・健康に悪いといった間違った説にも抗弁できる内容であることが立証されています。

東日本大震災で被災した人々の中で、これまで牛乳を飲み続けていた人が重篤な容態に陥らず、健康を維持できているというニュースが報道されていましたが、栄養学的にもあらためて、牛乳・乳製品の底力が示された例ではないでしょうか。

牛乳・乳製品の力についての分りやすいデータや解説は、(公財)学校給食研究協会発行の「すこやか情報便第7号」でご覧になれます。

「すこやか情報便」第7号

 

※1 2型糖尿病
2型糖尿病は、糖尿病になりやすい体質の人に、過食、肥満、ストレス、運動不足などの環境的なものが影響して発症し、日本人のほとんどが2型糖尿病と診断される。