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大阪府泉佐野市 市立小学校で朝食を無償提供 「こども朝食堂」取組ご紹介

大阪府泉佐野市の市立小学校では、始業前に無償で週2回、希望する児童に朝食を無償で提供する「こども朝食堂」を、市内にある全13校のうち12校で実施しています。

取組を始めたきっかけは、2022年に泉佐野市内で開かれたタウンミーティングにおいて、小学生の登校の見守りをしている市民から、「朝ごはんを食べていないようで元気のない子がいる。支援できないだろうか」と要望があった。

市は検討を重ね、2023年2月から3月にかけて市内の2校で週に2回「こども朝食堂」を開く実証実験を行った。実証実験の結果、約2割の児童が利用した。また利用した児童にアンケート調査を行ったところ、約2割が朝食を食べていなかった。朝食を食べていなかった理由として「起きるのが遅い」「食欲がない」が多く、「親が仕事で用意できない」との回答も一定数みられた。(複数回答あり)

「こども朝食堂」を利用した児童の約4割からは「授業に集中できる」「元気に過ごせる」との肯定的な回答が得られたため、市は2023年9月から本格な実施を決めた。学校単位でなく、自治体が主導する形で運営しているのが本取組の特徴で、市は2025年度の予算で9,703万円を計上した。

こどもの貧困対策として始めた「こども朝食堂」は、朝食を食べない子どもへの習慣づけだけでなく、物価が高騰する中での子育て支援にもなっており、泉佐野市によると、自治体が主導して全ての公立小学校で朝食を提供するのは全国でも珍しいということです。

泉佐野市の「こども朝食堂」の取組は、2025年の秋を目途に全13校に広げる予定とのことです。

本取組から、①市民からの支援要望 ②要望を受けて自治体が実態調査 を行い、③「授業に集中できる」「元気に過ごせる」といった児童からの感想 を得て④自治体主導で市13校すべての公立小学校で「こども朝食堂」実施決定 などの効果につながりました。子ども達を見守る市民の思いを自治体がしっかり受け止めて、これに沿って実施された取組経緯の背景には、「健康で充実した学校生活が送れるようにサポートしている」という泉佐野市担当課の大きな目的があり、結果として貧困対策を超える有意義な効果が得られたようです。