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「アレルギー低減卵」開発成功 相模原病院・広島大学・キューピー共同研究

当SN見聞録(2024年6月4日付)で、アレルゲンを含まない鶏卵「アレルギー低減卵」の作出について紹介しましたが、相模原病院・広島大学・キューピーの共同研究において、ゲノム編集技術を活用し、アレルギーの原因となるたんぱく質「オボムコイド」を除去した鶏卵の開発に成功しました。

広島大学の堀内浩幸教授やキューピーなどの研究グループは、2013年から「TALEヌクレアーゼ(TALEN、ターレン)」というゲノム編集技術の改良版「プラチナ・ターレン」を活用し、卵アレルギーの原因となるたんぱく質「オボムコイド」を作る遺伝子の一部を欠損させたニワトリを人工的に誕生させ、数世代交配させるなどして進めてきたが、この度「オボムコイド」を含まない卵を産む能力が通常のニワトリと変化がないことなどを確認した。

卵アレルギーの原因となるアレルゲンには「オボムコイド」以外の成分もあるが、「オボムコイド」以外の物質は熱に弱く加熱すればアレルギーが起こりにくくなる。

この鶏卵の品質を詳しく調査した結果、加熱処理しても品質は通常の鶏卵と変わらずプリンなどへの加工が可能なことも分かった。

現在は、国立病院機相模原病院などと協力し重度の卵アレルギーを持つ人などに、開発した鶏卵を加熱し、粉末にした試験食を実際に食べてもらう安全性の評価試験を進めており、2025年度中に評価を終え早期の実用化を目指しているということです。

本取組の詳細は、下記プラチナバイオ株式会社アドレスより確認することができます。
■卵アレルギーの人でも食べられる卵をつくりたい
https://www.jst.biodx.org/report